Luca Scandinavia | 北欧ヴィンテージ・工芸・アート
CASE STUDY

K 邸 / 東京

東京都港区南青山のヴィンテージマンション。オーナーは60歳代の女性。ゆったりとした空間に様々な調度品やコレクションが配置されています。かつて学生を含め一般人を対象に、日本の博物館法に定められた学芸員資格を取るための講座が早稲田大学で開催されたことがあったそうで、人生のチャレンジとして受講されたとのこと。その授業では、美術史や博物館史、経営論、教育論はもとより、美術品の梱包、展示、保存、修復に至るまで教えられ、実習を交えて学ばれたそうです。そのような経験をお持ちのオーナーが集められたコレクションは、季節や節句ごとに飾り替えられ、物の持つ特徴や、時の流れを楽しまれています。リビングに置かれたジョージ・ナカシマによるキャビネットの扉板は見事な木目文様の現れたアメリカンブラックウォールナット材が用いられており、これは存命だった頃のナカシマ自身が米国ニューホープの工房で所有していた「材」だそうで、ご縁があり手元にやってきたそうです。ナカシマの天板には裸婦の作家として知られる明治生まれの洋画家、原精一による油彩作品が飾られ、16世紀頃に焼かれたというデルフト窯の器が鎮座していました。イタリアポストモダンを代表するマリオ・ボッタのテーブルランプや、建築家、吉村順三のフロアランプ、イギリスWade社のソファなど、古今東西広い世界から選りすぐりの「品々」が集められています。ダイニングルームに置かれたアクセル・キアスゴー工房のチェストの上の十字架は、マリ共和国で使われていた嫁入りのためのお金だそうで、何枚も束にして紐で括り、嫁ぐ娘の持参金としたものだそうで、パリを歩いている際に通りかかった骨董屋で見つけられたそうです。当店からは、フィン・ユールのファイヤープレイスチェアや、オーレ・ヴァンシャーのテーブルや椅子、ヤコブ・E・バンの蓋つきガラスボウル、ハンス・ウェグナーのキャビネット、ヤイス・ニールセンの素描、ロロ・ピアーナのクッションなどをお納めさせていただきました。